水瀬ケンイチさん著の「お金は寝かせて増やしなさい」を読んだ感想をまとめました。
この本、実は私がインデックス投資を始めるきっかけになった本なんです。
会社の先輩からおすすめされ、「インデックス投資なんて投資手法があるのか!」と知り、そこから楽天証券で口座を開設しつみたてNISAの運用を始めました。(当時教えていただいた先輩には感謝です!)
初心者にもわかりやすく、これから投資を始めようとする方にピッタリの内容となっております。
こんな人におすすめ
・これから投資を始めようと思っているが何をすればよいかわからない
・どのインデックスファンドを選べばいいかわからない
・余剰資金があるけど使い道がなく、有効活用したい
- 自己紹介
この記事を読むとこんなことがわかります
・インデックス投資で運用するメリット
・損しないインデックス投資の運用方法
・インデックス投資の出口戦略
Contents
水瀬ケンイチさんとは?
水瀬ケンイチさんを簡単にまとめると下記の通りです。
- 会社員として働きながらインデックス投資を実践している日本の第一人者
- 日本ではメジャーでなかった約20年前から「インデックス投資」を実践
- 現在までにインデックス投資に関する書籍を5冊出版
- インデックス投資実践記としてブログ(梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー)を公開中
この本は金融機関の著者ではなく、インデックス投資の長期実践者である水瀬さんが経験に基づく100%読者側に寄り添った内容となっております。(金融機関関係の著者が営業のためにある特定のインデックスファンドを推薦する、みたいな下心は一切ないということです)
20年前に日本でインデックス投資を行おうにも、
- ロクな商品がない
- サービスがひどい
と投資する環境が整備されておらず、継続して投資する環境がなかったとのことですが、「ウオール街のランダム・ウォーカー」を読んで衝撃を受けた水瀬さんがインデックス投資を四苦八苦しながらも継続してきた経験を惜しみなく記してくださっています。
↓水瀬さんがインデックス投資を知ることとなる衝撃の一冊
私は2019年からインデックス投資を始めましたが、その時にはすでに楽天証券やSBI証券などの大手ネット証券がサービスを構築し、投資しやすい環境が整っていました。日本で楽に投資できる環境になったのは最近のことなんですね。
- 多数の運用商品を取り揃えている
- かつ手数料が0.01%以下と非常にお得
- とにかく楽。自分でやるべきことは積み立て設定と銘柄選定くらい
今から投資を始めようとする人は間違いなくインデックス投資をする上で恵まれている環境ですね。
インデックス投資をおすすめする理由
1. 手間がかからないから
インデックス投資は世界中の株や債券に分散されたインデックスファンドを定期的に同じ金額で購入し、あとは放置するだけです。
放置しているだけですが、S&P500などの指数に沿って資産が増加し、お金が勝手に増殖していくイメージです。(しかも複利効果も兼ね備えています)
私も十二分に実感していますが、本当にやることなさ過ぎて投資している感覚はほとんどありません。
多忙なサラリーマンや主婦にもうってつけで、投資の中で一番「手間がかからない」手法だといっても過言ではありません。
2. 実は世界標準のスタンダードな投資方法だから
個人間ではまだまだマイナーな「インデックス投資」ですが、下記のような世界中の金融のプロには積極的に採用されています。
- 年金基金
- 信託銀行
- 生命保険会社
3. お金の基礎知識として日常生活に役に立つから
- 確定拠出年金(DC)
企業では自分で運用商品を選択する確定拠出年金を採用することが増えている。
- 金融詐欺に引っかからない
インデックス投資投資の標準的なリターンを知っていれば、詐欺師がうたう「確実に年利10%」や「10年で10倍」といった高リターンが現実的ではないとわかる。
投資信託のメリットとデメリット
投資信託のメリット
1. 小額から購入できる
現代において”投資”はお金持ちがやるものではなく、誰しもが小額からできる時代です。
投資信託はわずか100円からでも始められる日本は世界的に見ても恵まれていますね!
2. たくさんの銘柄の株式や債券に分散投資できる
投資は資産をいくつかに分けてリスクを分散させるのが基本です。
なぜなら一つの会社に資産をすべてつぎ込み、その会社が倒産すると、その株式の資産は”0円”になります。
個別株で1社のみに1点集中型で投資をした場合はより投機に近い形の投資スタイルになりますね。(高配当狙いの個別株投資では何十社もの株を構成してリスク分散するのが基本ですね)
ですがインデックス投資では、いとも簡単に分散投資ができるのです。
- 分散投資する会社を選定する
- 投資金額を決定する
- 1.に戻り、100社に投資する場合は×100回繰り返す必要がある
上記を100回も繰り返すなんて、とてもじゃないけどやってられません。
- インデックスファンドを選択し購入する
一手で終了ですw
インデックス投資ではその商品を購入した時点で10~1000以上の企業に分散投資したことになります。しかも債券、不動産などの資産にもまたがって分散投資でき、ロシアやブラジルといった新興国にも簡単に投資できてしまいます。
3. 運用する金融機関が破綻しても資金が守られる
- 販売会社
- 運用会社
- 信託銀行
投資信託を利用する際は上記の金融機関が携わりますが、いずれが破綻したとしても、投資額によらず投資した資産は守られます。
投資信託運営会社が倒産したら、、、という最悪の事態でも利用者の資産が守られていることは非常に心強いですよね。
投資信託のデメリット
1. 持っているだけで手数料がかかる
- 購入時手数料
- 運用管理費用(信託報酬) → 保有期間中は毎日かかるため低い手数料の商品を選ぶことが大事
- 信託財産留保額
とはいってもアクティブファンドに比べたらインデックスファンドの手数料はかなり安いです。
また1. 購入時手数料と3. 信託財産留保額については0円の商品が多くあります。
私が所有しているインデックスファンドをご紹介しますが、どちらも1. 購入時手数料と3. 信託財産留保額については0円で運用管理費用(信託報酬) は0.1%台と0.09%台とかなり安いです。
- 購入時手数料 → なし
- 運用管理費用(信託報酬) → 0.1023%
- 信託財産留保額 → なし
- 購入時手数料 → なし
- 運用管理費用(信託報酬) → 0.0968%
- 信託財産留保額 → なし
かかる手数料は0.1%(年額)だけ、なので100万円投資したとしても手数料は年間1,000円のみ。
インデックスファンドは利回り平均7%(70,000円)くらいありますので、手数料分は余裕でペイできてしまいます。
レバナスなどのレバレッジ型ETFは手数料が大きいので注意です。。。
2. すぐに大儲けはできない
投資信託では一発逆転で大儲けは期待できません。
- 分散投資の効果により個別型と比べ値動きが緩やか
- リスクとリターンは表裏一体である
でも時間を味方にすれば、着実に資産形成が可能です。
しかも手間がかからずに実施することができます。
基本はひたすら「積み立て投資」
水瀬さんは定期的に一定金額で同一の投信を購入するドルコスト平均法でインデックス投資を継続することをおすすめしています。
ドル・コスト平均法とは、価格が変動する商品に対して「常に一定金額を、定期的」に購入する方法です。投資金額を一定にすることで、価格が低いときには購入量(口数)が多く、価格が高いときには購入量(口数)が少なくなり、平均購入単価を抑えることが期待できます。
大手ネット証券(楽天やSBI)では定期的に購入できるサービスが取り揃えられていますので、設定するのみで簡単にドルコスト平均法が実践できます。
個別株なら日々会社の業績や株価をチェックし、売買を行う必要がありますが、インデックス投資は「世界経済の成長」に投資しています。
しかし世界全体がいきなり無価値になることはまずあり得ません。
ですのであとは買い待ち(バイ&ホールド)で、お金を寝かせて増やすのみです。
インデックス投資を続けるコツ
上記で述べたようにインデックス投資を成功させるコツはただ一つ。
積み立て投資を継続しお金を寝かせておくこと
です。
株式は短期的な上下を繰り返しながら、最終的には右肩上がりに上がっていきます。
でも意外とインデックス投資を継続することは難しいです。
インデックス投資の本質部分が腹に落ちていないと、人は少しの損失であわてふためき、怖くなってすぐに売却してしまい、結局はインデックス投資を継続できなくなってしまうことを、リーマン・ショックの時に嫌というほど実感しました。
お金は寝かせて増やしなさい
私は投資を始めてから暴落はコロナショック程度で、幸いにも直近の好景気によりうま味を味わうことができています。
そのためインデックス投資を継続することができていますが、もし投資初期にリーマンショック級の暴落を経験したら、投資から手を引いていたかもしれません。
自分の資産がみるみるうちに減少し、半分になったら耐えることができるでしょうか?
でもそんな暴落に左右されず、コツコツと積み立て投資を継続することが成功への道になります。
ではどのようなマインドで投資と向き合うことが大事なのでしょうか?
株式の成長力をなめてはいけない
米国で1801年に投資した1ドルは200年後には約600,000倍になりました。
ざっくり日本円計算で100円が60,000,000円になったのです。
桁が違いすぎて意味わからないですねwww
株式投資は時間を味方にすることで1ドルを60万倍にするだけのパワーを持っているということです。
だから暴落が来たからと言って簡単に売却してはいけないのです。
自己増殖する資本が株式成長の源
それでは、なぜ、世界各国の株式が右肩上がりに上昇してきたのでしょうか。それ は、これらの国々を支える資本主義経済が拡大再生産し続ける仕組みだからだと考えられます。
お金は寝かせて増やしなさい
言葉だけではわかりにくいので、図解してみました。
企業(資本家)は労働者を雇い、安定した雇用と賃金を渡す代わりに労働力をもらいます。
労働者はより生活を便利にしてくれる製品やサービスを市場に提供し、その利益は企業にわたります。
この活動をグルグルしているうちにドンドン利益(資本)が企業に蓄えられ資本が自己増殖していきます。
地球全体の人口は増加し続けている限り、経済成長は止まることなく発展し続けていきます。
人々の欲望は留まることをしらないため、今後も便利な製品やサービスが資本元である企業から提供されることでしょう。
つまりこのサイクルによって資本の増加は継続し、株式の上昇は今後も続くはずと考えるべきなのです。
複利の力は強力
長時間投資することで複利の力を働きやすくさせることができます。
「複利は人類最大の発明」とアインシュタインが述べたほど、強力な力を持っています。
単利と比較し複利は時間が経つにつれて「雪だるま式」に大きくなっていきます。
下図では単利と複利の利益差を示していますが、元手100万円が30年で182万円もの差が開きます。
インデックス投資は一般的な投資と逆のことをする
一般的な投資とは異なりインデックス投資は基本「お金を寝かせておく」だけです。
投資といえば株価をチェックして売買を繰り返すイメージがありますが、そんな時間をかける必要はなく、本当に「お金を寝かせておく」だけでよいのです。
・銘柄を選ばなければ儲かるわけがない
・タイミングを図った売買をしなければ儲かるわけがない
・買いたくないときに買ってはいけない
・売りたくなった時には早めに売ることが大事お金は寝かせて増やしなさい
・銘柄を選ばなくても儲かる
・タイミングを図った売買をせずにバイ&ホールドするだけで儲かる
・買いたくないときにも買わないといけない
・売りたくなった時には売らないことが大事お金は寝かせて増やしなさい
今さらインデックス投資を始めるのは遅いのか?
インデックス投資を始めるのに遅いも早いもありません。
なぜなら投資タイミングを見計らって買ったり売ったりする必要がないからです。
お金は寝かせて増やしなさい
インデックス投資は長期で運用することが前提のため、インデックスファンドの取得価格は平準化されます。
短期の株価の上げ下げは長期で見るとノイズでしかない(長期で見ればほぼ確実に株価上昇のメリットを享受できる)ので、早いうちに投資を始めて、経済成長の恩恵を受けて資産が増加させる経験を積んでおきましょう。
投資を始めてさえすれば、資産はどうせ増加するのでいつ始めても遅すぎるということはないのです。
インデックス投資の出口戦略
定額ではなく定率の取り崩し
- 資産配分は「株式:債券=50:50」で運用
- 毎年保有資産の4%を取り崩す
- 取り崩しの期間は自由(毎月1回、半年に1回、年に1回なんでもOK)
- 上記を守れば計算上、保有資産は減らない
上記の「4%ルール」を守れば、計算上は保有資産を減らすことなく運用し続けられます。
つまり年間支出が400万円の人は、インデックス投資運用額が1億円になれば仕事を辞めて毎年の4%の取り崩しのみで生活できます。
しかもこの取り崩しルールでは保有資産が減らないどころか増加するケースも多々あるそうです。
つまり倹約をして年間支出を削減すると、一気にFIREへのハードルが低くなります。
年間支出が400万円 → 1億円の運用資産が必要ですが、
年間支出が120万円 → 3000万円の運用資産でOK。その差は7000万円。
まとめ
私がインデックス投資を始めるきっかけとなった「お金を寝かせて増やしなさい」の要約と書評をまとめました。
これから投資始める方にとっては最適の本かと思います。
改めて読み直してみると新たな気づきもありました。
実際にやってみて思うことは、インデックス投資は本当に時間がかからないということ。
かける時間に対するリターンのパフォーマンスが他の投資と比較すると段違いでいいです。
自分でやることは積み立て設定くらいとほぼ0ですからね。
これまでのことを簡単にまとめると下記のようになります。
・インデックス投資で運用するメリット
→手間がかからず簡単に分散投資ができる
・損しないインデックス投資の運用方法
→暴落に惑わされずに売却をしないこと。積み立て設定を愚直に継続すること。
・インデックス投資の出口戦略
→4%ルールで保有資産を取り崩す。ルールを守れば資産は減らない。