山崎元さん、水瀬ケンイチさん著の「全面改訂第3版ほったらかし投資術」を読んだ感想をまとめました。
インデックス投資を20年間継続してきた経験からこれを行えばOKという、インデックス投資における教科書的一冊になります。
これからつみたてNISAなどを始めようとしている投資初心者にとって必見な一冊です!
こんな人におすすめ
・時間と労力をかけずに株式投資したい
・アクティブファンドや個別株投資を上回るリターンを得たい
・インデックス投資における心構えを知りたい
- 自己紹介
ふじパン(@fujipan_mochi)
インデックス投資は年率6%で運用できている
筆者である水瀬ケンイチさんはインデックス投資を始めて20年になりますが、コツコツ続けた結果約1億円の資産を築いています。(2022年1月時点)
1億円あれば年率4%でも年間400万円の利益をいただけるので、支出が400万円以下の方であればFIREできてしまう資産額です!
年によってもちろん収益率はプラスだったマイナスだったりを繰り返し、振り返ってみると右肩上がりで成長している市場の恩恵を受けたと語られています。
年換算の収益率は年率+6%です。
メガバンクの普通預金金利が年率0.001%なので6000倍もの収益率になります。
一方でこの収益率を叩き出そうもんなら投資手法は時間と労力をかけて企業の業績を予測したり、チャートをひたすら追うのでしょうか?
そんなことは一切必要なく積み立て設定をするだけであとはほったらかしでよいのです。
そんなことあるわけないじゃないか!楽して稼げるわけないだろうが!
そういった意見があるかと思いますが、本当にほったらかしでOKなんです。
その投資方法の詳細に迫っていきましょう。
資産一億円を築いた方法は「たった、これだけ」
社会人として働いて程なくしたとき、誰しもがどうにかして今以上のお金を稼げないかと頭によぎった経験はあるかと思います。
そしてまとまった金額の資産を形成したいと思い、歯を食いしばって昇進を目指したり、土日に副業に励んだり、FXや仮想通貨、株式投資にチャレンジします。
水瀬さんも同じように何とか資産を築けないかということで、コンビニのマネー本や株式投資入門本を読み漁り、日本株の個別株投資からスタートしました。
水瀬さんは投資方法を学んで下記のような手法を用いて個別株投資にいそしんでいました。
- チャート分析(テクニカル分析)
- ゴールデンクロスで買ってデッドクロスで売る
- グランビルの法則
- ファンダメンタル分析
- などなど…
しかし2年間投資に取り組んだ結果、時間と努力に対してリターンがほぼなかったそうです。
個別株投資へのむなしさ
- 生活に支障をきたす
- 厳選した銘柄も市場全体に引っ張られて値下がりすることがある
生活に支障をきたす
個別株を始めると四六時中株のことが気になってしまいます。
投資先の企業についてのBadニュースが出てこないか気になってしょうがないそうです。
- 本業の仕事中に投資関連の株価をチェック
- 休日の昼下がりも決算を読み込む必要あり
本来なら本業や休日に集中すべきところを株の情報収集で時間を奪われてしまいます。
厳選した銘柄も市場全体に引っ張られて値下がりすることがある
分析を重ね土日を費やして選び抜いた銘柄が、日経平均が下がるのと連動し一斉に値下がりしたことを何度も経験し、自分の努力が水泡に帰すという経験を繰り返し、個別株投資へのむなしさを感じたそうです。
私は個別株投資を実践していないので、上記のような経験はありませんが、やはりリスクと労力に見合ったリターンが得られるのであればよいですが、必ずしもそうなるとは限らないのが個別株投資と思います。
どちらかというと投機(ギャンブル)よりの側面が強いと感じています。
波乗りニーノさんの書籍にもありましたが、結局は祈ることしかできないのが株式投資の実情です。
ほったらかし運用が最強?
投資のプロが銘柄選定と投資タイミングを見計らって売買するような運用を「アクティブ運用」といいます。
アクティブファンドはこの「アクティブ運用」による投資信託のことを指しています。
一方でインデックスファンド(インデックス投資)は市場平均に淡々と連動するだけの運用のことを指します。
プロが銘柄選定を行って売買を繰り返すのだからアクティブファンドの方が儲けは大きいだろうと思いがちですが、実際はアクティブファンドの7~8割がインデックスファンドに負けているという事実があります。
アクティブファンドがインデックスファンドに勝つことはほとんどないと言ってよいでしょう。(手数料も高いですしね)
しかもこれは単年の結果ではなく、毎年観測されている事実なのです。
誰でも同じ方法でいい
「インデックス投資」は非常に再現性が高いという特徴を持っています。
水瀬さんは年換算収益率6%で20年間運用できていますが、これは「同じ時期にインデックス投資を始めた人で同じポートフォリオを選択すれば、みんな同じ結果が出る」という再現性の高さを持っています。
FXや仮想通貨、個別株投資においては裏をかいてみんなと違う行動をしたり、他人よりも先まわることで利益を得たりすることが多く、周りの投資家はみな敵対関係にあります。
しかしインデックス投資においてはみんなが同じでOKなんです。同じインデックスファンドを選択して、同じ時期に始めれば投資成績はみんな同じになります。
やることはただ一つ、
「世界中に分散投資した低コストなインデックス・ファンドを、毎月淡々と積み立てる」だけです。
全面改訂第3版 ほったらかし投資術
インデックス投資家のメリット
水瀬さんは個別株からインデックス投資に切り替えたところ下記のようなメリットを感じました。
- 仕事に集中できるようになった
- 土日の自分の時間を取り戻した
- 趣味のバス・フィッシングとスノーボードが上達した
つまり投資を始める前の自分らしい生活に戻ることができたのです。
積立するファンドを設定し、毎月インデックスファンドを積み立て投資してあとはほったらかしで完結してしまうのです。
とにかく手がかからないから、日常生活は自由時間が大幅に増えます。
投資の情報を集める必要がなく時間と労力が必要ない上に、年換算収益率が+6%(メガバンクの普通預金金利が年率0.001%なので6000倍)もあるのです。
はっきり言って手持ち資金に余裕があり、リスク資産を持っているならインデックス投資をやらない理由はないと思います。
銀行預金に預けるくらいなら証券会社でインデックスファンドを購入したほうが資産拡大に大きく貢献してくれるはずです。
実際に私は2019年の10月からインデックス投資を始めましたが、利益は260万円程度出ています。
やったことは積み立て設定と資金が貯まったときに実施したスポット購入のみです。
あとはほったらかしにしただけで世界の株式市場成長に合わせて資産がどんどん拡大していきました。
ほったらし投資術 実行マニュアル
- 3~6か月分の生活資金を確保して、普通預金に置く。それ以外のお金を「運用資金」という。
- 運転資金の中から、リスクを取って運用してもいい「リスク資産」の保有額を決定する。
- 「運転資金」から「リスク資産」を差し引いた残りを「無リスク資産」という。この「無リスク資産」は「個人向け国債変動金利型10年満期」または銀行預金(一人一行1000万円の範囲内を守ること)で持つ
- 「リスク資産」は全て、全世界の株式に投資するローコスト(手数料の安い)インデックスファンド(「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」など)に投資する
- iDeCo(個人型確定拠出年金)、NISA、つみたてNISAなどの税制上有利な運用口座を最大限に利用する。
- 税制上有利な運用口座を活用しつつ、適宜積み立て投資がで投資を追加するのもよい。
ほったらかし投資のやり方は上記で完結します。
一度設定してしまえば、あとはやることはありません。
初心者におすすめなのは、まずつみたてNISAを始めてみることだと思います。
- 年間40万円と少額から始められる
- 税金がかからないので税制上メリットを享受できる
- 金融庁が厳選した銘柄しか選べないので、質の高いファンドを選択できる
私も最初は投資は怖いイメージ(損しそう)でしたが、国が推奨している、金額が小額で始められる、税金のメリットがあるということでまず最初につみたてNISAからインデックス投資を始めてみました。
初期の頃はふと証券会社の利益を確認してみると+10万円になったときは正直に感動しました。積み立て設定以外はなにもしていないのに、ただ置いているだけで10万円利益が出ていることに驚きました。
時間の経過とともに、積みあがる利益に素直に嬉しかったですし、こんなに簡単に資産拡大ができるのかと感心しました。
それをきっかけにつみたてNIASを使用しない投資信託を始め、スポット購入などを実施し、現在では+260万円まで利益が積み重なりました。
これから投資を始めようとする初心者のファーストステップとして、まずはつみたてNISAを始めてみることをおすすめします!
実際に始めてみよう
インデックス投資の投資銘柄はこれを選べばOK
長年インデックス投資に携わってきた山崎元さんと水瀬ケンイチさんが選ぶ、究極のインデックスファンドは下記になります。
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)
- 運用会社:三菱UFJ国際投信
- 購入手数料:なし
- 運用管理費用(信託報酬):年率0.1144%
- 信託財産留保額:なし
このファンドは全世界株式という名の通り、日本、先進国、新興国を含む全世界の株式市場にこれ一本で丸ごと投資できる商品です。
つみたてNISAでもこれを選んでおけば間違いないだろうと私も思います。
ちなみに私は下記のインデックスファンドを推しています。
ニッセイ外国株式インデックスファンド
- 運用会社:ニッセイアッセイマネジメント
- 購入手数料:なし
- 運用管理費用(信託報酬):年率0.1023%
- 信託財産留保額:なし
ベースはeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)と同じ全世界株ですが、私がこのインデックスファンドを選択している理由は3つあります。
- 信託報酬が安い
信託報酬に関してはeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)よりも低価格です。
- 投資対象が日本株を除く先進国であること
またこのインデックスファンドの投資対象は日本を除く先進国になります。
私は日本株への期待がそこまで高くないことと、為替リスクを加味し日本を除いたインデックスファンドを選択しています。
- MSCIコクサイ・インデックスに連動した商品である
MSCIコクサイ・インデックスは世界的に最も知られる指数のひとつです。日本を除外した世界の先進国22カ国に投資を行うことで、各国の時価総額の80%以上カバーする指数となっています。
ぜひ皆さんのインデックスファンド選定の参考にしていただければ幸いです。
ボーグルヘッズの10則
本終盤に元バンガード/ステート・ストリート勤務の金野真弓さんと山崎元さん、水瀬ケンイチさんの3人の特別対談の内容が記載されていました。
その中で話題に出ていたボーグルヘッズの10則に私は強い感銘を受けました。
この10則がインデックス投資を行う上での基本となる考え方になります。
1.実行可能な計画を立てる
2.早くから、かつ定期的に投資する仕組みを作る
3.リスクの取りすぎや、リスクを取らないことに注意する
4.分散する
5.マーケットタイミングを探らない
6.インデックスファンドを活用する
7.コストを低く抑える
8.税金を抑える(節税メリットの活用)
9.シンプルに投資する
10.航路を守る全面改訂 第3版 ほったらかし投資術
一つ一つの詳細な説明は省きますが(詳細は本書でご覧ください)、この本書で伝えたいことが詰まった10則だと感じました。
特にマーケットタイミングを探らないは非常に大切な心構えですね。
インデックス投資において市場の上げ下げはノイズに過ぎず、長期目線では右肩上がりであることを再認識させられました。
本書ではほったらかし投資術の最終的に目指す場所ですが、下記のように記しています。
賢く投資することによって幸福を追求できる範囲を広げていくことです。だからこそ、投資にできるだけ時間をかけない、投資でストレスを持たない、人生を大いに楽しむ。
全面改訂第3版 ほったらかし投資術
投資に縛られずに自由な時間を持てるかつ、投資によるリターンをしっかり享受できるこのほったらかし投資術は万人におすすめできる投資方法だと再認識させられました。
まとめ
山崎元さん、水瀬ケンイチさん著の「全面改訂第3版ほったらかし投資術」を読んだ感想をまとめました。
私は2019年からインデックス投資を始め、全世界株による世界の市場成長を享受し利益を積み重ねることができました。
積み立て設定以外は本当にやることがないので、忙しいサラリーマンや子育てや家事で忙しい主婦の方にもおすすめです。
- だれでも簡単に
- 時間と労力をかけずに
- リスク資産のみの投資だから精神的にも落ち着いて
- しかも年収益率が+6%という驚異的なリターンを毎年受け取れる
こんな投資方法はほかにないでしょう。
私は一貫して銀行預金においている使い道がないお金(死に金)は証券会社に今すぐ移し、全世界株を購入してほったらかし投資することをおすすめします。
勝手にお金が働いてくれて、数年もすれば自己増殖していることでしょう!
まだ投資に触れたことのない方はまずは小額から始めてみて(特におすすめはつみたてNISA)、インデックス投資の感触をつかんでみることをおすすめします。